永倉有子さんから、映画「武蔵野S町物語」のチラシをいただいた。うれしい。添えられている手紙から、待ちに待った「武蔵野S町物語」の映画完成のよろこびが伝わる。
チラシには≪病後の失語症を乗り越えながら、夫婦で力をあわせて綴られた『武蔵野S町物語』は、映画化にあたり妻・有子さんの思い出と共に、新たな物語が加えられました。≫とある。ストーリーには≪時代が過ぎ、大人になった健一は、妻有子とともに、心の中に大切にしまってあった思い出の場所を一つひとつ紐解いていくのだが……。≫と書かれている。チョット思わせぶり。
きっと、有子さんはシナリオの段階から映画製作に協力をしていたのであろう。
それだけに、一層、思い入れも深い作品となったのではないだろうか。
健一役の横山幸汰くんはどんな少年「万治クン」を演じてくれるのだろうか。
大杉漣、宮崎美子のベテラン俳優の演じる永倉夫妻はどんな世界を描いてくれるのだろうか。とてもたのしみである。
東京キッドブラザースで永倉万治と共にニューヨーク公演に行った深水三章が祖父役で出演しているのも興味深い。
画面いっぱいに映し出される武蔵野の風景とともに期待したい。
映画公開にちなんで、文庫の『武蔵野S町物語』が再版されるという。
永倉作品が映画化され、上映が決まり、その作品が再び出版される。とても素晴らしい。
≪万治クン、最高の春です。≫と夫人はいう。
≪人は誰しも、幼かった少年時代を思い出し、その出来事に、自分の原風景を見つける――。≫昭和30年代の武蔵野にあった温かくゆっくりとした原風景の記憶が感じられるとチラシにある。
私も市民会館に足を運んで、少年時代の思い出探しのひと時を見つけに行くつもりである。
一般映画館の公開までなんか、待ってられません。
挿図は 映画「武蔵野S町物語」のチラシ裏面
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