先日、見知らぬ女性からメールをいただいた。彼女は、なにかを調べているうちに、偶然、この「万治くらぶ」にたどり着いたという。
≪はじめまして。別のことを検索していて、こちらのサイトに出会いました。
最終更新日から1年以上経過しており、まだ活動されているのかわかりませんが、ご連絡してみます。≫そこには、私にとって長年未解決になっていた永倉万治に関する情報がある。
「万治くらぶ」の更新はしていないが、サイトをそのまま掲載しておいて、よかった。
メールの女性は田村さんという。
なんと、田村さんは永倉万治と一緒に働いていたことがある、とメールに書いている。
それは、万治くんが本名の長倉恭一で働いていた「マドラ」という会社である。
田村さんは、そこで永倉と一緒に『wind』の編集をしていたのである。
≪万治さん、というか、私にとっては本名のほうが親しみやすいのですが、
1970年代半ば、マドラという会社で、長倉さんと一緒に
ジャルパッククラブの会員誌「wind」を編集していました。≫『wind』については、第212号で書いている。
この文末に私は、未解決問題を書いている。
この『wind』誌が、日本航空の機内誌『ウインズ(Winds)』と同系の雑誌なのか、ちがうのか?
≪『ウインド』はJALPAK CLUBの会報誌として制作されたものであり、季刊誌である。
現『ウインズ』は機内誌であり、月刊誌である。
誌名は酷似しているが、どうも両者は別物みたいである。
どなたかご存知の方はお教え願いたい。≫(第212号)田村さんがメールのなかで答えてくれている。
≪この雑誌(『wind』)は、JALの系列会社で、
ジャルパックという旅行商品を企画販売していた旅行開発会社が、会員組織を立ち上げ、
その会員誌として、昭和51年(1976)0号から同54年(1979)まで発行されたものです。
JALの機内誌は「winds」、こちらは「wind」。発行母体が異なります。≫これで『wind』と『winds』は別の雑誌であることが、はっきりした。情報に感謝。
そして、『wind』はわずか4年間の短命の雑誌で、永倉がその編集から離れるとその年に終刊している。
懸案が、ひとつ解決した。
さらに、田村さんのメールはつづく。
≪(「wind」は)私にとって、はじめての本格的な編集でしたので今でも何号か保管しています。
長倉さんのことも含めて、いろいろな思い出があります。
それをお伝えしたいのですが、(中略)メールをいただければ幸いです。≫田村さんは、『wind』を何冊か持っている、そこにはおそらく未だ見ぬ永倉作品がある。
田村さんは、一緒に仕事をしていたときの永倉を知っている、きっと未知の永倉エピソードを持っている。
これは、期待が持てる。ぜひ新情報を教えて頂きたいものである。
私は、さっそく田村さんにメールを送った。
(つづく)
写真は 永倉万治『晴れた空 そよぐ風』(1997・集英社文庫)の表紙。雑誌名の「wind」にちなんで、書名に「風」のつく永倉作品をのせた。
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