万治くらぶ/第369号
万治くらぶ

第369号

2014/08/31

▲万治なんでも雑記帖(159) 田村情報(1) ナガクラ情報は突然に

 先日、見知らぬ女性からメールをいただいた。

 彼女は、なにかを調べているうちに、偶然、この「万治くらぶ」にたどり着いたという。

 ≪はじめまして。別のことを検索していて、こちらのサイトに出会いました。
  最終更新日から1年以上経過しており、まだ活動されているのかわかりませんが、ご連絡してみます。≫

 そこには、私にとって長年未解決になっていた永倉万治に関する情報がある。

 「万治くらぶ」の更新はしていないが、サイトをそのまま掲載しておいて、よかった。

 メールの女性は田村さんという。

 なんと、田村さんは永倉万治と一緒に働いていたことがある、とメールに書いている。

 それは、万治くんが本名の長倉恭一で働いていた「マドラ」という会社である。

 田村さんは、そこで永倉と一緒に『wind』の編集をしていたのである。

 ≪万治さん、というか、私にとっては本名のほうが親しみやすいのですが、
  1970年代半ば、マドラという会社で、長倉さんと一緒に
  ジャルパッククラブの会員誌「wind」を編集していました。≫

 『wind』については、第212号で書いている。

 この文末に私は、未解決問題を書いている。

 この『wind』誌が、日本航空の機内誌『ウインズ(Winds)』と同系の雑誌なのか、ちがうのか?
 ≪『ウインド』はJALPAK CLUBの会報誌として制作されたものであり、季刊誌である。
  現『ウインズ』は機内誌であり、月刊誌である。
  誌名は酷似しているが、どうも両者は別物みたいである。
  どなたかご存知の方はお教え願いたい。≫(第212号)

 田村さんがメールのなかで答えてくれている。

 ≪この雑誌(『wind』)は、JALの系列会社で、
  ジャルパックという旅行商品を企画販売していた旅行開発会社が、会員組織を立ち上げ、
  その会員誌として、昭和51年(1976)0号から同54年(1979)まで発行されたものです。
  JALの機内誌は「winds」、こちらは「wind」。発行母体が異なります。≫

 これで『wind』と『winds』は別の雑誌であることが、はっきりした。情報に感謝。

 そして、『wind』はわずか4年間の短命の雑誌で、永倉がその編集から離れるとその年に終刊している。

 懸案が、ひとつ解決した。

 さらに、田村さんのメールはつづく。

 ≪(「wind」は)私にとって、はじめての本格的な編集でしたので今でも何号か保管しています。
  長倉さんのことも含めて、いろいろな思い出があります。
  それをお伝えしたいのですが、(中略)メールをいただければ幸いです。≫

 田村さんは、『wind』を何冊か持っている、そこにはおそらく未だ見ぬ永倉作品がある。

 田村さんは、一緒に仕事をしていたときの永倉を知っている、きっと未知の永倉エピソードを持っている。

 これは、期待が持てる。ぜひ新情報を教えて頂きたいものである。

 私は、さっそく田村さんにメールを送った。

                   (つづく)



  写真は 永倉万治『晴れた空 そよぐ風』(1997・集英社文庫)の表紙。

  雑誌名の「wind」にちなんで、書名に「風」のつく永倉作品をのせた。

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