永倉万治作品目録/第144号
永倉万治作品目録

第144号 参考作品本

2008/06/08 

    『あの頃の君。』 (竹永茂生:著)

          モセイのエッセイ  団塊世代 懐かしの風物誌

 ★ 被対象本

 1  1994(H6)年6月15日

 2 読売新聞社

 3 四六判(190mm×127mm)

 4 4−643−94045−X

 5 ¥1200

 6 エッセイ集

 7 かつての「天井桟敷」の放蕩児、勘当息子 タケナガ・モセイのエッセイ!!「週刊読売」に一年間連載のエッセイ「うたかたアーメン」の単行本化。なつかしい場所、ヒト、モノ、コト、時代。団塊世代、懐かしの風物誌。しみじみ読めば、しみじみと。パラパラ読めば、パラパラと。フムフム読めば、フムフムと。懐かしくよみがえる団塊オジンの青春、そして光、翳、喪なわれたものへの愛、そして追憶。 (帯文より)

 8 奥付に著者の略歴あり。

 9 『週刊読売』に連載(H5.1.3〜H6.1.9)された「うたかたアーメン」にある永倉万治との再会と思い出を書いた「尋ね人の時間」が本書に収録されている。
 ≪「暖かくなったら、会おう」
  作家の永倉(万治)との約束を三月末の春宵に果たすことができた。
  場所は西麻布のビストロ「ラ・フェット」。
  初めて出会ったのは二十二年前のパリはサン・ジェルマン・デ・プレのカフェ「ドゥ・マゴー」。
  彼は「東京キッドブラザース」という「天井桟敷」の分家とでもいうべき劇団に所属していて、おりから。”ヨーロッパ漂流”などと銘うって、アルザス地方からパリ入りしたばかりのところ。こちらはパリ公演真っ最中の、忙中閑ありといったところだった≫
 ≪「それにしても、有難いことに、どうやらこうやら俺もタケも、こうして会おうと思えば会えるところに居合わせているよな。下手をしたらあれだぜ、今ごろは――」
  「一九七一年頃、パリのサン・ジェルマンのカフェでお会いしました永倉恭一さんを探しています。確か当時『東京キッドブラザース』というアングラ劇団に所属してらっしゃったと思います、だな」
  「ハハ、そう、<尋ね人の時間>だよ、お互いな」
  永倉は脳溢血からの奇跡の生還を書いた本の記念パーティーで柳家金語楼の歌を唄ったくらいだから、同時代の昔懐かしいことはたいていツーカーで分かる≫
 ≪「たまに眠れない夜、NHKの『ラジオ深夜便』を聴くんだよ」、永倉が言った。
  若い時は自分が誰なのか僕らは往々にして自分に尋ねがちなものである。けれど、自分を尋ねる最適の場は他人で、彼も僕も自身の影の中にこそ自分を素直に探しにいける歳になったのだ≫

10 「万治くらぶ」第277号参照

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